プロが教える「失敗しない収納家具の選び方」

収納家具は、散らからない暮らしの大きな武器
前回のブログで、
収納家具は、散らからない暮らしをつくるための“とても大きな武器”になる
というお話をしました。


ただし、ここで大切なのは、
「収納家具なら、何でもいい」というわけではない、ということです。


せっかく新しく収納家具を買うなら、
「買ったのに使いにくい」
「結局、部屋が片づかない」
そんな結果にはしたくないですよね。


今回は、収納のプロの視点から、
無駄な買い物をしないための収納家具選びの基本をお伝えします。

収納という視点で見る家具

家具の3つの種類

まずは、家具を「収納」という視点で整理してみましょう。
実は、家具は大きく分けると次の3種類に分類できま

① 収納を目的としない家具
イス、テーブル、ソファ、ベッドなど
暮らしに必要ですが、収納機能を持たない家具です。

② 収納を目的とした家具
本棚、チェスト、タンスなど
「仕舞う」ためにつくられた家具です。

③ 飾ることを目的とした家具
コレクション棚やディスプレイ棚など
見せることを前提とした家具になります。

収納ベッドやロフトベッド、TVボードなど、
複数の機能を兼ねた家具も増えています。

一見お得に感じますが、
どうしても必要な場合以外は、あまりおすすめしていません。
多機能家具は、それぞれの役割が中途半端になりやすく、
結果として使いづらくなることが多いからです。

収納の形は、たった3つだけ

収納方法はたくさんあるように感じますが、
形態としては、実は次の3つしかありません。

① 棚にのせる(棚収納)

引出しに並べる(チェスト・引出し収納)

③ 掛ける(ハンガーパイプ・フック) 床に置く、カゴに入れる、といった方法もありますが、
これは「仕舞う」というより、
一時的な置き場所という位置づけになります。

理想的な収納家具の割合とは?

私が考える、理想的な収納のバランスは次の通りです。

  • 棚収納:70%
  • 引出し:10%
  • 吊るす収納:20%

「棚が70%も?」と驚かれる方も多いですが、
棚収納は、実はとても優秀な収納方法なのです。

ちなみに、我が家の収納も7割以上が棚収納です。

なぜ、棚収納がおすすめなのか

棚収納の長所

① たくさん収納できる
使いやすい高さは胸の位置までが限界です。
それより高いと中に引出しの奥まで手が届きません。
物理的に無理なのです。

一方、棚収納は手が届けばOK。
頭の上の空間まで、しっかり活用できます。

また、引出しは
「大きな箱の中に小さな箱が入る」構造のため、
どうしても使える体積が減ってしまいます。

② 一目で探せる
棚収納は全体を一瞬で見渡せます。
扉があっても、開ければ中がすべて見えます。

引出しは一段ずつしか確認できません。
何段も引き出してやっと見つかったという現象も出てきます。

③収納物の サイズを選ばない
棚板を動かすことで、
大きな物にも、小さな物にも対応できます。

収納するモノが変わっても、
柔軟に調整できるのが棚収納の魅力です。

④ 比較的安い
棚収納は構造がシンプルなため、
材料も手間も少なく、価格を抑えやすいのが特徴です。

⑤ お店の収納に学ぶ

UNIQLOを思い浮かべてみてください。
棚に衣類が並べていると思います。

見やすい、取りやすいのです。



スーパーもほぼ棚に商品が並んでいます。
効率を追求するプロの現場は、ほぼ棚収納です。

棚収納にも短所はある

収納方法に少し知識が必要

アレンジの幅が広い分、
収納方法を知らずに詰め込むと、使いにくくなります。

ただし、一度基本を知ってしまえば大丈夫です。

家具選びを間違えると、長所が活きない

例えば、背の低いカラーボックス。
実は、とても使いにくい棚家具の代表例です。

使いやすい棚収納には、
いくつかの条件があります。
次でお話します。

使いやすい棚家具の条件

可動棚であること

棚板がすべて動かせる家具が理想です。
ダボ穴は、できるだけ細かい間隔のものを選びましょう。

「あと1cm足りなくて入らない…」
そんな経験を防ぐことができます。

ちなみに、全部可動できる棚にするには、
家具の本体がかなりしっかりしている必要があります。
その分少し価格は上がりますが、
一生使い勝手が変わるので、少々高くても「全て可動棚」が絶対にお勧めです。

サイズ

高さ
胸の高さ以上がおすすめです。
70cm以下の家具は、毎回しゃがむ必要があり、
使い続けるうちに負担になります。

奥行
収納物に合わせて選びます。

  • 靴・本:30cm
  • 日用品・衣類:40cm
  • 布団:80cm

大切なことは、
「大は小を兼ねない」ということ
奥行きがありすぎて、中が見えない収納は、
散らかる原因になります。

扉の有無と種類

扉がないと出し入れは楽ですが、
収納棚をきれいを保つのは意外と大変です。

収納物は、お店のように美しく見栄えするものばかりではありません。
扉有は気が楽です。
私はお勧めします。

ただし、扉を開けると中が見渡せなければいけません。
小さい扉がたくさんついているというのは、
トランプの神経衰弱(開けたら違う!)のようです。


扉の目安
●幅160cm以上:引き戸
 しっかり見渡したい場合は、3枚引き戸もおすすめです。

●幅80cm以下:開き扉

●幅130cm以上:折戸

引出し家具を選ぶときのポイント

棚、棚と棚を連呼しましたが、引出しも大切です。
低い収納は上から覗けるのでいいです。
キッチンも引出しがメインになっているのはそういう理由です。

スムーズに引き出せることが最重要
そして、引出し家具で最も大切なのは、
引出しがスムーズに引けることです。
レール無しはお勧めしません。


フルスライド(全開)も重要な要素!
衣類以外の重い物を収納する場合は、
必ずフルスライドを選んでください。

サイズと丈夫さも忘れずに
●引出しは負担が大きいため、がたがたする物のはやめましょう。

●奥行40cm以下は、使える容量が少なくなりがち

●引出しの高さは、収納したい物に合わせて選ぶ

付け足し

家具は長く使える

家具ってどのくらい使えると思います?
思っているよりずっと長く使えます。

たまに「おばあちゃんの家にあった家具です!」と
とても素敵な家具を大切に使っておられる方がいらっしゃいます。
ヨーロッパだと代々引き継がれている家具も多いですよね。

日本でも昔は結婚の時に婚礼ダンスを買ってもらい、
一生大切に使っていたと思います。
いい家具は長く使えます。

付き合いのあるシステム家具の会社の社長が、
車は10年少しで変えるのに何百万も簡単に払うけど、
家具は何十年も使うのに、数十万でも高いと思われると嘆いておられました。


「お値段以上・・・♪」というのもありますが、
私の経験ですと、家具はほぼほぼ「お値段通り」です。

材料はもちろん、引出しのレール、扉のヒンジ、耐久性などを含めて
少しずつレベルがあります。

車も家具も選ぶ基準がある!

車も高級車から軽自動車までレベルはいろいろです。
しかし、どの車もきちんと走って目的地までは到達できます。

価格の差は快適性、安全性、デザイン。
多分ほぼお値段通りでしょうか。


家具も同じように一人暮らしの賃貸で数年使えればじゅうぶんな場合と
持ち家でずっと使い続けたいでは条件が違います。

自分の生活に合う家具を
よ~く考えて選んでいただきたいです。


いっしょに考えさせてもいただきますので
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About Mina Yoshida

収納カウンセラー・一級建築士YoshidaMina
20年間で個人住宅の収納カウンセリング、新築・リフォーム収納コンサルティングを延べ1,000人以上、延べ300人を対象に「収納セミナー」を行っている。整理収納で頭と空間のスッキリを叶え、家事の時間を2/3に短縮できる家をお客様といっしょに作り上げる。その中でも新築・リフォーム時の収納設計コンサルティングを得意する。大学で住居学を学び、卒業後ハウスメーカー、設計事務所で住宅・マンション設計に携る。その後、夫の海外赴任に帯同する。海外生活では友人宅を訪問する機会が多く様々な暮らしを見る経験をする。

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